お茶の歴史 古代〜平安時代
神農帝が解毒薬として利用した
お茶の歴史は伝承によると、紀元前2800年頃にさかのぼります。
中国の本草学の始祖といわれる神農帝が野草を研究している時に、解毒薬としてお茶を利用していました。
お茶の記録
世界最古のお茶としては紀元前59年頃の『瞳約』に記録が残されています。
お茶の専門書、『茶経』が記されたのは、西暦760年頃です。唐の陸羽がまとめました。
日本とお茶の出会い
弥生時代、飛鳥時代は日本はまだお茶との出会いはなく、平安時代の815年に嵯峨天皇が行幸の途中で滋賀県の梵釈寺に立ち寄った際、大僧都の永忠がお茶を献じたことが『日本後紀』に記されています。
永忠は奈良末期に唐に渡り、30年以上唐で過ごし、喫茶法を学んだとされる僧侶です。
奈良時代からお茶は日本に伝来していた
『日本後紀』の記録は平安時代のことですが、茶道具の存在や言い伝えから、奈良時代の後期にはお茶が伝来していたと考えられています。
奈良・平安時代に飲まれていたお茶は、「餅茶」といい、生葉を蒸して餅状に固めたもので、飲む時に必要な分だけ切り取って火で炙り、薬研で砕いて粉末にし、釜で煎じて飲むものです。
この餅茶が、日本に最初に渡来した茶だと考えられ、後に団茶も作られるようになります。
しかし、餅茶は匂いが強くて日本人の好みに合わず、その製茶技術は普及しませんでした。